錬金術つかい(寛訳6)(“El Alquimista”)

「世界中の人がこの村を通るじゃないか、息子よ」父は言った。「新しいことを求めてくるが、同じ人たちばかりだ。丘まで行って城を認め、過去は現在よりも良かったと信じている。金色の髪や黒い肌をしているかもしれないが、我らの村の人間と変わらんよ。」

「でも僕は彼らがもと居た土地の城を知らないよ」、少年は言い返した。

「こういう人たちは、我々の野原や女性たちを見て、ずっとここで生きていきたいと言っているだろ」、父は続けた。

「僕は彼らがもと居たところの女性や大地を知りたいんだ」、男の子は言った、「だって彼らだって絶対にここに留まりやしないじゃないか。」

「この人たちはお金でいっぱいの巾着を持ってるんだぞ」、父は再び言った。「我々の中じゃ、旅をするのは羊飼いだけだ。」

「それなら羊飼いになるよ。」

父はそれ以上何も言わなかった。翌日、金でできた昔のスペイン硬貨が三枚入った袋を渡した。

「ある日野原で見つけたんだ。お前の教会への持参金になる予定だった。自分の羊を買って世界を歩き、我々の城が最も大切で我々の女性たちが最も美しいと学んできなさい。」

そして彼に祝福の祈りをした。彼はまた父の目の中に世界を歩きたいという願いを見て取った。水と食べ物そして毎晩眠れる同じ場所によって覆い隠そうとしながら何十年も過ごしてきたにもかかわらず、未だに根強く残っている願いを。

 

~続く~


 

父ーーーーー!!!

いけめんか。いや、この親にしてこの子ありということか。会話もめっちゃ短いし。すでにこの親子は何かを極めている様子すら伺える。

 

ところでものの本によるとブログの記事とかには写真とかつけたほうが良いみたいなんで、なんか付けます。

富山城、と思ったのだけど良い写真がなかったので、富山駅前ビルの展望スペースから見る立山連峰です。2016年1月1日撮影。

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