錬金術つかい(寛訳32)(“El Alquimista”)

ある良き日に少年はイギリス人に本を返した。
「それで、たくさん学んだかい?」、相棒は尋ねた、大いに期待して。戦争への恐怖を忘れるため一緒に会話をする誰かを必要としていた。

[pickup] Seattle permanently closes 20 miles of street

シアトル、20マイル(32km)の自動車道を恒常的に閉鎖し歩行者や自転車などがソーシャルディスタンスを保って利用できる公共空間に。ただし郵便、配達、ごみ収集・リサイクルトラック、緊急車両は「閉鎖された」空間の走行が可能。横断歩道の押しボタンは廃止、接触なくまた滞留なく渡れるよう技術導入する。

[pickup] Car-free zones in London as Congestion Charge and ULEZ reinstated

ロンドン、5月18日より渋滞チャージおよびカーフリーゾーンを再開し、歩行者・自転車空間を拡充。特に中心部は歩行者と自転車の他にはバス、緊急車両と障がい者用車両のみアクセス可で、配達は渋滞チャージの時間外にすること。ゼロエミッションのタクシーの導入を検討中。渋滞チャージは増税および適用時間の拡大を検討中。

錬金術つかい(寛訳30)(“El Alquimista”)

変わった本だった。水銀、塩、龍や王について書いてあったが、彼は何も理解することができなかった。しかしながら、全ての本に繰り返し出てくるひとつの考えがあった、すべてのものはたったひとつのものの表れであるという。

錬金術つかい(寛訳29)(“El Alquimista”)

時としてキャラバン同士が夜に出会うことがあった。いつも片方がもう片方の必要としているものを持っていた、あたかも本当にひとつの手によって全てが記されているかのように。ラクダ引きたちは暴風の情報を交換し合って焚火の周りに集まり、砂漠の物語を話すのだった。

錬金術つかい(寛訳28)(“El Alquimista”)

キャラバンは西の方向へと進み始めた。朝から旅をし、日差しが最も強い時には留まり日暮れには道を続けた。少年はほんのわずかにイギリス人と会話をし、イギリス人はほとんどの時間自分の本で気晴らしをして過ごしていた。

錬金術つかい(寛訳27)(“El Alquimista”)

「私がキャラバンの隊長です」、長い髭と黒い目の男性が言った。「私が共に旅する人々の生と死にかかる権限を持ちます。なぜなら砂漠とは気まぐれな女であり、時として男たちを狂わせるものだからです。」

錬金術つかい(寛訳26)(“El Alquimista”)

『おもしろいな』、少年はその本の始まりにある埋葬の場面をもう一度読もうとしながら思った。『読み始めてほとんど二年になってこれらの頁を読めないなんて。』彼を遮る王はいなかったにもかかわらず、集中することができなかった。まだ決断に疑いを抱いていた。だがひとつ大事なことに気づいていた、決断とは単に何かの始まりだった。誰かがある決断をしたときというのは、強大な流れの中に飛び込んでいるのであり、それはその人を決断したときには夢にも思わなかったような場所まで連れて行くのだった。