錬金術つかい(寛訳7)(“El Alquimista”)

地平線は赤く染まりそれから太陽が現れた。少年は父との会話を思い出して幸福を感じた。すでに多くの城や女性を知ることができていた(二日後に彼を待っていたものと同じものは何ひとつなかったが)。上着と、他のものと交換できる本そして羊の群れを持っていた。最も大事なことは、しかし、一日一日その人生の大きな夢を実現しているということだった。旅をするという。アンダルシアの野原に疲れたときには羊たちを売って船乗りになることもできた。海に疲れたときには、たくさんの町々、たくさんの女性たちそして幸せであるためのたくさんの機会を知っているだろう。

錬金術つかい(寛訳6)(“El Alquimista”)

「世界中の人がこの村を通るじゃないか、息子よ」父は言った。「新しいことを求めてくるが、同じ人たちばかりだ。丘まで行って城を認め、過去は現在よりも良かったと信じている。金色の髪や黒い肌をしているかもしれないが、我らの村の人間と変わらんよ。」

錬金術つかい(寛訳5)(“El Alquimista”)

朝日が差し込み始めて羊飼いは羊たちを太陽の方向に導いた。「彼らは何かを決断する必要なんてずっとないんだ」と思った。「ひょっとしたらそれでいつも僕のこんな近くにいるのかもしれない」。羊たちが感じている唯一の必要は水と食べ物だった。少年がアンダルシアの一番の牧草地を知っている限り、彼らは彼の友人であり続けるだろう。

錬金術つかい(寛訳4)(“El Alquimista”)

もう再びその村に着くまでたった四日間というところだった。気分が高揚すると同時に不安にも感じた。もう少女は彼のことを忘れたかもしれない。あのあたりには羊の毛を売りにたくさんの羊飼いが通るのだ。

錬金術つかい(寛訳2)(“El Alquimista”)

第一部
少年は名をサンチアゴと言った。日が暮れ始めたころ、彼は羊の群れとともに見捨てられた古い教会の前に着いた。天井はずっと前から壊れていて用具室のあったところには大きなシカモアイチジクが育っていた。

錬金術つかい(寛訳1)(“El Alquimista”)

序詞
錬金術師はキャラバンの誰かが持ってきていた一冊の本を取った。その巻には表紙がなかったが、その著者を特定することができた。オスカーワイルド。ページをくっていくとナルシソに関する物語が記されていた。

再開するぞ

去年の7月16日に最初の投稿をしてからというもの、ちょこまかとキュレーションを蓄積しようとしつつ上手くできず、仕事も忙しく、サイト全体の設計もうまくできないままで、ずっと放置してしまった。

[pickup] AAA: Ride-Hailing Twice the Cost of Car Ownership

アメリカ自動車協会(AAA Foundation)の分析。都市部に住みながら常時車を使う人の年間走行距離は10,841マイル(17,345.6km)で、これにかかる駐車やガソリン含む費用は7,300ドル。対して同じ距離をUberで走行した場合には年間20,118ドルになるとのこと。 分析主体があることなので眉唾物ではありつつ。