錬金術つかい(寛訳50)(“El Alquimista”)

二日目、少年は野営地の近くにあった岩場の上まで行った。番兵たちは彼を通らせた、すでに風になる魔術師についての話を聞いていて、それに近づきたくなかったのだ。さらに、砂漠は大きくて越えることのできない城壁だった。

錬金術つかい(寛訳49)(“El Alquimista”)

近くの野営軍基地へと彼らを連れて行った。ひとりの兵士が少年と錬金術師をあるテントの中へと押し入れた。それはオアシスで知ったあらゆるものと異なるテントだった、そこには司令官がいて参謀本部と集まっていた。

錬金術つかい(寛訳47)(“El Alquimista”)

沈黙のままさらに二日歩いた。錬金術師はさらにずっと用心深かった、なぜならより激しい戦いの区域に近づいていたからである。そして少年はその心を聞こうと努めていた。

錬金術つかい(寛訳46)(“El Alquimista”)

「後に残したもののことを考えちゃいけないよ」、砂漠の砂上を馬で進み始めた時に錬金術師は言った。「全ては世界の魂に刻み込まれていてそこに永遠に留まる。」

錬金術つかい(寛訳45)(“El Alquimista”)

少年は一晩中目が覚めたまま過ごした。夜明けの二時間前、彼のテントで寝ていた男の子たちのうちひとりを起こしてファティマが住んでいる場所がどこかを教えてくれるよう頼んだ。共に出かけてそこまで行った。引き換えに、少年は彼に一匹の羊を買うための金を与えた。

錬金術つかい(寛訳44)(“El Alquimista”)

次の夜、少年は一頭の馬を連れて錬金術師のテントに現れた。少し待つと彼が着いた、馬に乗って一羽のハヤブサを左肩に乗せて。
「砂漠のなかの生を見せてごらん」、錬金術師は言った。「生を見つける者だけが宝を見つけることができる。」

錬金術つかい(寛訳43)(“El Alquimista”)

太陽が完全に沈んで一番星たちが現れ始めたとき(あまり輝いてはいなかった、というのもまだ満月があったから)、少年は南のほうへ歩いて向かった。ただひとつだけテントがあり、通りかかった何人かのアラブ人はその場所はディジンだらけだと言っていた。しかし少年は座って長いあいだ待った。