錬金術つかい 目録

2020年4月18日から6月13日まで57日間で作成した「錬金術つかい」の57記事、およびその後3日間で記した「まとめ」の3記事の、目録です。初めから読む場合、特定の箇所へピンポイントで飛びたい場合なんかに役立てばと思います。

錬金術つかい 寛訳を終えてのまとめ1・翻訳編

錬金術つかいの連載を昨日で終えました。2020年4月18日から6月13日まで、57日間での取り組みとなりました。あらためて、読んでくださった方、見守ってくださった方、ありがとうございました。

錬金術つかい(寛訳57・完)(“El Alquimista”)

少年は名をサンチアゴと言った。見捨てられた小さな教会に着いたときにはもうほとんど夜になっていた。シカモアイチジクはまだ用具室にあり、そしてまだ朽ちかけた天井の隙間から星たちを見ることができた。かつてここに羊たちといたことそして穏やかな夜だったことを思い出した、あの夢を除いては。

錬金術つかい(寛訳55)(“El Alquimista”)

「夢についてのある物語を君に話しておきたい」、錬金術師は言った。
少年はその馬を近づけた。
「古代ローマで、ティベリオの時代に、とても善良なある男が住んでいて二人の息子がいた。ひとりは軍人で軍隊に入ると帝国のもっとも辺境の地域ばかりへと送られた。もうひとりの息子は詩人でローマ中をその美しい詩で喜ばせていた。」

錬金術つかい(寛訳53)(“El Alquimista”)

シムーンはその日かつて吹いたことのない勢いで吹いた。何世代にもわたってアラブ人たちは風になり、野営軍基地をほとんど破壊して軍隊の最も偉い将軍の力に立ち向かった少年の伝説を互いに語り合った。

錬金術つかい(寛訳52)(“El Alquimista”)

少年は真正面から地平線を見据え始めた。遠方には山々、岩場そして生存が不可能な場所で生きようとしつこく食い下がる背の低い植物たちがかすかに見えていた。そこには彼が何カ月ものあいだ歩き回った砂漠がありそのうちの、それでも、小さな一部分しか彼は知らないのだ。この小さな一部分でイギリス人、キャラバン隊、士族間の戦争そして五万のヤシの木々と三百の井戸を抱えるオアシスに出会っていた。